アラビアのロレンス旅日記 Dorset

アラビアのロレンスを訪ねるため、イギリスのDorsetに行ってきました-Day 1

アラビアのロレンスという名前で知られるT. E. Lawrenceが大好きな私は、2022年に彼の晩年期を過ごしたDorset州に行ってきました。田舎ですし、現在は新しい日本語の記事がないので、今後行く人のための参考になればという目的と、忘備録という意味も込めてブログを書くことにいたしました。一切人を楽しませるために文字を書いたことがありませんので、稚拙な文章ではありますがご容赦くださいませ。

 

主に訪れた場所は以下の通りです。

WarehamのWareham Town Museum, St Martin's-on-the-Walls, Anglebury House.

MoretonのClouds Hill, St Nicholas' Church.

DorchesterのDorset County Museum.

 

時系列に沿ってお話ししようと思います。

 

まず、ロレンスは1935年5月19日、Dorsetの道でバイク事故で亡くなりました。イギリス滞在中一度ロレンスの墓を訪ねたことがあるものの、命日に会いにいこうと思い立ち5月18日朝、住んでいたブライトンを出発し電車で西に向かいました。

 

彼の墓、クラウズヒル、エリック・ケニントンの作ったeffigyを全てまわろうと思ったら車がなければ1日では足りません。一泊二日の予定をしており、1日目にWareham、2日目にクラウズヒルと墓とDorchesterの博物館に行く計画を立てました。

 

宿泊施設は、Anglebury Houseに致しました。

Anglebury Houseのホームページ: https://www.angleburyhouse.co.uk/

このゲストハウスは1550年に建てられており、1762年の火災に耐えたものが残っています。増築もされていると思います。なぜここを選んだかというと、このゲストハウスが元々私人の家だった時、ロレンスが訪れて友達と泊まったと言われているからです。ホームページにありますが、Lawrence's Roomという部屋があり、この部屋でロレンスと友人が泊まったとあります。写真を見る限り、他の部屋とは違いレンガなど古そうなつくりが残されています。ただし、Lawrence's Roomは通常の一人部屋と2倍程度価格に差があるのでご注意ください。

私が予約しようと思い立った時に18-19日は既に予約されており、普通の部屋を取ることになりました。

このゲストハウスにはレストランがあり、朝は朝食を提供してくれます。チェックインは事前に連絡をしておけばいつでもチェックインして荷物を置いておくことが可能です。

 

旅のお話に戻ります。電車の旅が終わりWareham駅についた私は、潮の香りのする気持ちいいのどかな道を南に下りのAnglebury Houseにつき、荷物を預けルームキーをもらってから外出しました。

 

海の近い田舎を歩いてすぐの場所に、市民会館のような施設があり、そこに小さなWareham Town Museumがありました。そこにロレンスコーナーがひっそりとあり、関連の品物が展示されていました。興味深かったのは、当時の新聞記事の切り抜きでした。(画像無し)

 

Wareham Town Museumの展示物

 

それほど多くは展示されていないためすぐ見終わりました。次にSt. Martin's-on-The-Wallsという教会に向かいます。駅からゲストハウスまで来た道を引き返すと、道路の右手にある小さな古い教会がそれです。

St. Martin's-on-The-Walls





中に入ろうとすると集団礼拝をしていたようなので、かなりの間隣にあるベンチで本など読みつつ待っていました。人がぞろぞろ出てきてから教会の中に入ると、中世らしい古風だけれど美しい内装が見えました。

 

内観

 

とても小さい屋内の隅に、effigyが。

 

Eric Kenningtonがロレンスの死後制作したeffigy。

Eric Kenningtonはロレンスの友人で、画家、彫刻家、考古学者です。ロレンスの死後彼の好きだった十字軍のeffigy(彫像)に似せた作りにしながら、アラブの服を着せて制作しました。

ずっとひと目見てみたいと思っていたKenningtonの傑作を目の前にして、微笑みをたたえたロレンスの姿(彫像)に感動が込み上げてきました。effigyは非常に凝っていて、優しい顔立ちはとても本人の写真に似ており、やわらかい、という印象を与えるようなゆったりとしたポーズで横たわっています。枕元には彼の好きだった(であろう)本も彫刻されています。Dorsetの片田舎までわざわざ来たオタクだけが見れる、博物館レベルの作品。

 

教会には、来た人が残していく素敵なノートもありました。(当時は教会に礼拝に来た人が残していくものだと思ってましたが、今見返したら"Some words to Lawrence of Arabia and the church"と書いてある…何か書いていけばよかった)

 

教会に置いてあるノート

 

また、この教会について書かれたパネルや、Eric Kenningtonがeffigyを作ることになった経緯を記したファイルもありました。ロレンスの弟のArnold Lawrenceが書いた手紙や電報の写しもあって、貴重。細かくは読んでいません。

 

この後は周辺を散策。鴨のたくさんいる川を眺めてのんびりして、「ロレンスもこの小川を見たのだろうか…」と思いを馳せておりました。そこらへんにあった花屋でお墓に手向けるためのお花を買い、Anglebury Houseに戻りました。中を歩くと床が歪んでる場所もあり歴史を感じます。

 

泊まった部屋はこちら。広くはありませんが、小綺麗で居心地のよい雰囲気。

 

明日の予定を反芻した後Alenbury Houseの一階で夕ご飯を食べました。

 

'Lawrence of Arabia Spent many a pleasant hour drinking coffee at this seat.'と書かれた板が打ち付けてあります。

この文言を見て少なからず興奮する私。

 

2日目、ついに命日にお墓に向かうお話は次の日記に書く予定です。